2016年版 技術士第二次試験 建設部門 合格指南
目次
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はじめに
2013年度(平成25年度)の技術士試験の改正から3年がたちました。3年間の出題形式や出題数などは同じで、この傾向は今後も続くと思われます。
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1―1 出題内容と傾向
本章では、主に筆記試験の出題傾向を踏まえ、2016年度(平成28年度)の技術士第二次試験に向けた勉強方法について説明します。
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1―2 筆記試験の勉強方法
1-1節でも触れたように、文部科学省は2015年11月19日に16年度(平成28年度)試験の実施大綱を決定し、合否決定基準を16年1月29日に公表しました。
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1―3 受験科目を選ぶにあたって
建設分野の職務や業務は多岐にわたっており、建設部門の11の選択科目を明確に線引きすることは困難です。実際の業務について考えると、経験や経歴が複数の選択科目に該当するケースが多いわけです。
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2―1 受験申込書の作成時の注意点
受験申込時に提出する業務経歴票の不備によって、口頭試験で不合格となるケースが後を絶ちません。受験申込書の中で最も重要な業務経歴票を作成する際の注意点を、記入例も交えながら詳しく説明します。
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2―2 業務経歴票の記入方法
ここでは、記入例やよくある質問の例も交えながら業務経歴票を記入する際のポイントや留意点を示します。
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3―1 択一式の出題範囲と傾向
2015年度の出題形式は13年度の改正時から変更はなく、全20問から15問を選んで解答する五肢択一式の形でした。個々の設問の内容を見ると、テーマやキーワードも定着しつつあるようです。
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3―2 択一式の勉強方法
3-1節で述べた出題傾向を踏まえると、択一式試験は2016年度も過去問題や国土交通白書からの出題に加え、専門用語の意味などを問う問題が多くを占めると考えられます。
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3―3 択一式の想定問題と解説
3‒1節で示した改正後の出題傾向を踏まえ、2016年度の択一式で出題の可能性が高いテーマやキーワードに着目し、五肢択一式の想定問題を30問、作成しました。
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4―1 記述式、論文構成と記述内容
改正後の3年間で、記述式論文の大まかな傾向は判明しました。選択科目によって多少異なりますが、論文構成や記述内容にはいくつかのパターンが見られます。
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4―2 記述式、受験者の「系」に合わせた勉強方法
建設部門の11の選択科目の出題範囲や内容は様々ですが、元は同じ建設事業(社会資本整備)です。したがって、ある程度のグループ分けが可能です。
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4―3 記述式、科目別の出題予測とポイント
この4-3 節では全11 科目について、より具体的な形でテーマや出題内容、解答のポイントなどをそれぞれ整理しました。
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土質基礎
土質基礎は、業態によって調査、設計、施工の分野に大別できます。以下は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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鋼コンクリート
鋼構造には大きく分けて材料、設計、施工、維持管理の四つの分野があります。以下は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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都市計画
改正後の2013~15年度の都市計画の出題内容をテーマごとに類型化すると「景観」「交通」「環境」「防災・減災」「都市運営」「市街地整備」「都市の再構築」の七つになります。
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河川砂防
河川砂防は、受験者の専門性から河川、砂防、海岸・海洋の三つに大別できます。
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港湾空港
港湾空港には大きく分けると計画、設計、施工の三つの分野があります。以下の表は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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電力土木
電力土木には大きく分けると計画、設計、施工、維持管理の4分野があります。以下は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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道路
道路には大きく分けると計画、設計、施工、舗装の4分野があります。以下の表は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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鉄道
鉄道には大きく分けると計画、設計、施工、維持管理の四つの分野があります。以下は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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トンネル
トンネルには大きく分けると山岳、シールド、開削の三つの分野があります。以下は、改正後の2013年度から15年度までの3年間の出題概要です。
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施工計画
施工計画は品質や工程、安全、原価、計測など施工全般に関わる管理を中心に、事前の調査・計画や入札・契約、防災・減災、環境関連の分野からも出題されます。
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建設環境
建設環境には、騒音や振動などの生活環境と生態系などを対象とした自然環境の大きく二つの分野があり、さらにそれぞれ計画と施工に分かれます。
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5―1 文章作成のルール
第二次試験の選択科目は、いずれも長文の答案を作成する試験です。したがって、技術士にふさわしい能力があったとしても、それを文章で表現できなければ合格できません。
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5―2 わかりやすい文章を書くために
一つの文は原稿用紙3行以内(70文字程度)を目安に構成します。
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5―3 わかりやすい答案を書くために
文章作成のルールを守れば、誰でもわかりやすい答案を書くことができます。しかし、試験会場で十分に力を発揮するには、やはり訓練が必要になります。
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6―1 受験申込書の作成から筆記試験まで
第1章でも触れたように、2016年度の口頭試験は経歴および応用能力、技術者倫理、技術士制度の認識などについて問う内容になります。
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6―2 筆記試験から口頭試験まで
筆記試験が終わってから口頭試験までの約4カ月間を、口頭試験対策の準備期間として有意義に過ごしましょう。口頭試験までの過ごし方について以下に説明します。
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6―3 口頭試験の試問内容
口頭試験の試問時間は20分程度を基本とし、必要な場合は10分程度延長できるとするなど、弾力的に運用するとされています。
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6―4 口頭試験の心構えと注意事項
受験者が技術士として活躍するに値する能力や品格、適正などを備えているかどうかを確認されます。
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6―5 口頭試験の想定質問と答弁における留意点
口頭試験での想定質問を洗い出し、要領良く答えられるように準備することが有効です。
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おわりに
本書を購読されていかがでしたか。毎年、多くの受験者の皆さんからご好評をいただき、大変うれしく思っています。